ソウルフラワー震災基金

ソウルフラワー震災基金からの報告とお願い

「ソウルフラワー震災基金」代表 伊丹英子
2011年3月28日

 1995年に起った、阪神淡路大震災。その際、大きいチャリティ募金とは異なった、災害弱者(阪神淡路大震災の時は、介護が必要なお年寄りや自立身体障害者の方)に焦点をあてた基金を立ち上げました。小さな呼びかけにもかかわらず、たくさんの方々からの協力、募金が集まりました。何年にもわたり、毎月、募金して下さった方、お店に募金箱を置いて下さった方、本当にありがとうございました。

もう、こんなことは起らないでほしいと願う、被災地を経験したみんなの願いも空しく、今回、こんな大きな地震が起ってしまいました。津波に加え、原発事故と、規模の大きさに、日本中のみんながどうしていいかわからない状態だと思います。しかし、神戸で、極寒の中、たき火を囲み、少しずつ笑顔を取り戻したことを思い出し、手をつなぎ立ち上がり、二度とこんなことが起らないよう、みんなで繋がりましょう。

そこで、「ソウルフラワー震災基金」について いったん、神戸への支援は終了させ、残っているお金を、今回の東日本大震災の支援に切り替えたいと思います。3月20日現在、数名の知り合いが、被災地に入っていますので、現地の状況を聞きつつ、必要な物資を直接送ったり、現地の信頼出来るボランティアに渡したり、私は、沖縄で受け入れた、避難民のケアに携わっていこうと思っています。

特に、福島県の、子供を持つ家族は、言葉に出来ないほど、不安でいっぱいだと思います。早急に、落ち着ける場所を探し、子供たちが学校に安心して通える状況を作る支援がしたいと思っています。そういった形で、この「ソウルフラワー震災基金」を、「ソウルフラワー震災基金2011」とし継続することのご了承と応援をお願いいたします。

私達は阪神淡路大震災を通して、人の暖かさ、地域コミュニティーの大切さ、仲間の大切さ、故郷を愛する心、癒えない心の傷、人間の弱さ、音楽の強さ、たくさんの事を学びました。そして、被災された方の心も、支援する側の熱も、状況と時間が変えていきます。でも、復興するというのは、被害が大きければ大きいだけ、時間がかかるものです。それを支援する側が忘れてはいけないと思います。

この「ソウルフラワー震災基金2011」と、みんなの気持ちが、少しでも東北の被災された人の助けになればと思っています。

 

ソウルフラワー震災基金2011

代表 伊丹英子 / 中川敬
■募金振込口座■
京都銀行:山崎支店(普)786282

口座名義 ソウルフラワー震災基金

 

ソウルフラワー震災基金2011 呼びかけ人
安部恭毅(インストゥルメント・テクニシャン)/ 新井進(音楽プロデューサー)/ 飯田仁一郎(ミュージシャン/OTOTOYプロデューサー)/ 石田昌隆(フォト・ジャーナリスト)/ 伊藤孝喜(ミュージシャン)/ 今井智子(音楽評論家)/ 岩崎眞美子(ライター)/ 上野祥法(ロフトプロジェクト)/ 遠藤妙子(音楽ライター)/ オオクマリョウ(編集者)/ 大西寿男(本づくりと校正・ぼっと舎)/ 岡田桂織(『月の庭』)/ 岡部好(音楽写真家)/ 岡村詩野(音楽評論家)/ OKI(ミュージシャン/DUB AINU BAND)/ 奥野真哉(ミュージシャン)/ 奥野亮平(図画工作員)/ 尾崎隆夫(映画製作)/ 葛西広司(舞台照明家)/ 小野島大(音楽評論家)/ 加藤彰(編集者)/ 鎌仲ひとみ(ドキュメンタリー映画監督)/ 上村美保子(ミュージシャン)/ 川島恵子(プランクトン代表/プロデューサー)/ 岸田繁(くるり/ミュージシャン)/ 北村ヒロコ(格闘家)/ 木村紅美(作家)/ 具志堅政史(ミュージシャン)/ 黒田晃弘(アーティスト)/ 小林隆史(ブレスト音楽出版代表)/ サイトウトモヲ(映像ディレクター)/ 酒井道生(名古屋ダイアモンドホール音響)/ 沢知恵(ミュージシャン)/ JIGEN(ミュージシャン)/ 志田歩(ライター)/ しのやん(『ROCK A GOGO企画』)/ 辛淑玉(人材育成技術研究所)/ 鈴木茂(アルテスパブリッシング代表取締役)/ 高木克(ミュージシャン)/ 高木太郎(ミュージシャン/大工)/ 高原パミール博史(カイロプラクター)/ 武内吾郎(コンサートプロモーター『ジェイルハウス』)/ 伊達政保(評論家)/ タンコ(ミュージシャン/東京くりから堂代表)/ 知花竜海(ミュージシャン)/ 土屋トカチ(ドキュメンタリー映画監督)/ 當山貴史(ミュージシャン/骨格調整士)/ 友部正人(シンガーソングライター)/ TOYONO(ミュージシャン)/ 直枝政広(カーネーション/ミュージシャン)/ 中川五郎(ミュージシャン)/ 中里かおり(ミュージシャン)/ 中山ラミ犬(『海賊版電子魂花時報』)/ 西村茂樹(ミュージシャン/介護福祉士)/ 花房浩一(音楽ジャーナリスト)/ 樋野展子(ミュージシャン)/ 日比野純一(『FMわいわい』代表)/ 広田奈津子(映画監督/『カンタ!ティモール』)/ 松山晋也(音楽ジャーナリスト)/ 宗像明将(音楽ジャーナリスト)/ 村田雅宏(『ウエス』)/ 持田明美(ミュージシャン)/ 八木啓代(ミュージシャン/作家)/ 柳美里(作家)/ 横尾紀子(『Cosmic Sea Records』)/ 吉田幸弘(編集者)/ リクオ(ミュージシャン)

(五十音順)

 

『ソウルフラワー震災基金2011』報告

報告.65(2024年10月16日)
  • 2024/10/02能登支援物資
    総額 ¥944,244

 今回は、豪雨による土砂災害で、倒壊した家などを解体する道具が不足しているとの要請があったので、解体に必要なバールやジャッキ等の土木用品、防塵マスクやグラス等を、京都市左京区の佐藤金物店に用意、協力して頂きました。
¥620,000

床上浸水と道路遮断で、避難所への退避を余儀なくされている、輪島町野仮設等への、米、調味料、掃除道具、バスタオルペット用品等の日用品
¥268,666

ハイエース・レンタル、ガソリン等が
¥55,578

届け先は、
オープンジャパン、輪島のコミサポ広島、門前町の能登震災支援サンライズ。途中、ユニセフが配給物資を配っていたので、そこにも米、タオル等を下ろしました。

京都で、ハリーナさん、ラップandロールさんが集めてくれた古タオルも、町野仮設の泥掃除に使わせてもらう!と喜んでいただきました。

みなさんのご協力ありがとうございます。まだまだ、先は長いです。無理なく長く支援していきましょう。

報告.64(2024年4月3日)
  • 「グループホーム・ひなたぼっこ」支援の支出
    13,850円

 かほく市に集団避難した、輪島のグループホーム「ひなたぼっこ」の総勢18人のお年寄りへの支援です。通常なら1人、2人とバラバラに遠方の施設へ避難しますが、それは年齢的にも生死に関わることでもあるので、「絶対全員で避難する」と決断して集団避難をやり抜いたグループホームです。行政と交渉して、自分たちで空き物件を見つけ、自衛隊のトラックで、陥没した道を痴呆症や車椅子の18人で避難しました。今は、かほく市で、全員無事に穏やかに過ごされているということです。
 そこに物資を届ける人がいたので、塩サバ、ちりめんじゃこ、野菜、果物等、一緒に運んでもらいました。

報告.63(2024年3月21日)
  • 「珠洲市・インドネシア人漁業技能実習生支援」の支出
    30,040円

珠洲市在住のインドネシア人漁業技能実習生(21人)の皆さんが、「“炊き出し”に来ても、ハラルフード(イスラム教で食べることが許されている食事)がないので困っている」という連絡が入ったので、ハラルの食材を購入して送りました。

(伊丹英子)

報告.62(2024年3月21日)
  • 「京都から炊き出し大作戦・第4弾」の支出
    116,059円

甘酒150食
スイートポテトスープ3.8キロを5袋
煮込みハンバーグ250個

甘酒は京都の麹の老舗、大阪屋さんからご提供いただきました。
さつまいもは、はたなかさんからのご提供です。
ありがとうございました。

(伊丹英子)

報告.61(2024年3月21日)
  • 「京都から炊き出し大作戦・第3弾」の支出
    123,200円

前回は2回分をまとめて報告したので、今回は第3回目となります。
被災地のお年寄りから「魚が食べたい」という要望が多くあったので、魚とローストビーフを送りました。

焼きサバ200食
焼き鮭108食
コーンスープ
ローストビーフ210食

以下、PBVからの前回分の報告です。

本日、お送り頂いた煮込みハンバーグを珠洲市の以下の施設でお配りしました!
・ハンバーグなんて初めて、また来て欲しい!と横山集会所のお母さん方からメッセージがありました。
・直小学校の校長先生は、給食が出て子ども達が喜んでいる様子と炊き出しを提供してもらう複雑さでなのか感極まって涙されていました。
皆さん本当に喜ばれています。ありがとうございます!
・直小学校(避難所昼食+小学校給食)173食
・七尾特別支援学校 珠洲分校 34食の昼食
・横山集会所 夕食 28食
・狼煙生活支援センター 夕食 15食

(伊丹英子)

報告.60(2024年2月4日)
  • 「京都から炊き出し大作戦」の支出
    337,100円(配送費込)

今回の災害の問題は、何より、道路が土砂により通行できなくなったこと、水が自由に使えないこと等が大きく、そのために、衛生が悪く、炊き出しがスムーズに行えない状況が続いています。
水が不自由でも、衛生面が悪くても、ボランティアの数が少なくても、こちらでできることを考えた結果、加工業のライセンスを持っているレストランの厨房を借りて、「調理・パック・冷凍」で現場へ送り、湯煎するだけで配膳が可能な支援を思い付きました。
この計画に、京都一乗寺のイチナンさんから、賛同を頂き、被災地からのメニューのリクエストを聞きながら、現段階で2度配送しました。
イチナンさんには、調理は勿論、全工程で助けてもらっています。八百屋は田中さん、卵はバイタルフォースさんから、材料をカンパしてもらいました。

下記は、1回目の「牛丼」の際の、被災地からのメッセージです。

  「伊丹英子さんからご支援いただいた牛丼についてのフィードバックです。
住民さんからも、お肉が食べれてうれしいとの声があり、喜ばれていました。また、私たち支援者にとっても、湯煎のみで美味しい料理が提供できるということで、大変助かっております。
 調理済みのものを冷凍真空パックで提供いただけることは、現地での調理の時間の短縮、食材の購入不可(珠洲はまだ物流が安定していない)、調理器具が不要との点でとても助かっております。
 牛丼は、子どもも大人も美味しくいただき、皆さん、喜ばれていました。小学校の給食でも牛丼を提供したところ、子どもたちは『肉だ!!』と喜んでいました」
 以下、今までに被災地に送った内訳です。(第三弾は和食を中心とした内容を予定しています)

牛丼630食
頭芋のスープ100食
サツマイモとジャガイモのポタージュ200食
ハヤシライス225食
煮込みハンバーグ380食

(伊丹英子)

報告.59(2024年1月15日)
  • 「能登半島地震 緊急支援金」の支出
    500,000円

輪島市をベースに、能登町、氷見市の倒壊家屋からの家財の運び出しや、倒壊樹木の撤去など、各地の災害被災地でタフなボランティア活動を続けている災害ボランティア団体“コミサポひろしま”(@yk5049)に、50万円寄付しました。

報告.58(2024年1月10日)
  • 「能登半島地震 炊き出し支援金」の支出
    600,000円

金沢のレストラン・エクティルのオーナー・シェフ川本紀男さんが、被災した料理人の方々と、連日、七尾で400食、中島で300食の炊き出しを続けています。毎日20万円を超える費用が必要なので、微力ではありますが、まず60万円を寄付しました。

https://norio-k.jp

報告.57(2024年1月4日)
  • 「能登半島地震 緊急支援金」の支出
    1,000,000円

2024年元日に発生した能登半島地震の被災地への危急の支援の必要性から、珠洲市の避難所での炊き出し、物資配布(粉ミルク、オムツ、水、ポリタンク、携帯トイレ、食材など)を行なっているピースボート災害支援センター(@PB_saigai)に、緊急支援金として100万円を寄附しました。

ピースボート災害支援センター
https://pbv.or.jp/donate/202401_ishikawa

(伊丹英子・中川敬・ウエノヨシノリ)

報告.56(2023年3月3日)
  • 「トルコ・シリア大地震/緊急支援金」の支出
    900,000円

2月6日にトルコ南部、シリア北部を襲った未曾有の大地震は、いまだ正確な犠牲者数、被災者数が分からない、甚大な被害をもたらした大災害になってしまいました。当地の複雑な政治的背景のために支援が届きにくい地域への危急の支援の必要性から、以下の団体へ、緊急支援金として寄付をしました。ここに報告いたします。

『スタンド・ウィズ・シリア・ジャパン/Stand with Syria Japan』
 https://standwithsyriajp.com

『日本クルド文化協会/Japan Kurdish Cultural Association』
 https://www.facebook.com/nihonkurdish/?locale=ja_JP

『ピースセルプロジェクト/Peace Cell Project』
 https://www.peacecellproject.org

(伊丹英子・中川敬)

報告.55(2020年2月10日)
  • 「台風19号(2019年)水害支援」の支出
    食材経費 93,794円
    調理等の人件費 164,993円
    計 258,787円

今回は、昨年の福島の大雨、洪水の被害の後から、支援してきたお話です。今まで、ソウルフラワー震災基金からは、人件費を出したことがありませんでした。というのも、私たちはボランティアのプロ集団ではないので、線引きが難しい部分があり、公平に扱えないと思っていたからです。もちろん私を含むソウルフラワーのメンバーも、被災地に行く時は自費であり人件費は派生していません。今回、調理に携わって頂いたのは、全て地元のお母さんたちです。家も再建できない状態で、情報交換の場も持てないまま、家族に気を使う毎日は本当にストレスです。ボランティアなんかしてる場合かと夫から言われ、家から出れないママたちもいると言う話を聞きました。そんな彼女達の助けになればという気持ちで、今回は1日2000円程度を、計上しました。人件費に関しては、これからフレキシブルに見直していこうと考えています。

(伊丹英子)

 この度は、私たちの活動にご支援をいただき、ありがとうございました。

 私は、原発事故後、放射能汚染から子どもたちを守るために母親有志とネットワークを立ち上げ、子どもの環境の放射線量の測定と、母親同士が支え合うためのコミュニティづくりなどを行ってきました。2019年10月、台風19号の水害により広範囲に渡り断水となったため、多くの家庭が炊事や洗濯や入浴ができないという困った事態に陥りました。まるで、あの原発事故当時にタイムスリップしたかのような、人々が水を求めて給水車の列に並ぶ光景。そしてその後、徐々に見えてきたのは、水に飲み込まれた地域で泥まみれの家屋を前に途方に暮れる住民の姿でした。

 原発事故に加えて水害にまで見舞われたこの地でなにができるだろうと模索する中、真っ先に思ったことは、「子どもたちはこの不安の中で眠れているのか、ご飯を食べることができているのか」「母親たちは疲れ果てていないか、子どもの栄養バランスや身体への影響などを気にして不安になっていないか」ということでした。

 コミュニティづくりのために続けてきた「お茶会」を通して出会った母親とのつながりをもとに、子育て中の家庭をサポートするため、妊娠中の母親や、小さな子どもを連れた母親が給水の列に並ぶ負担をなくすよう自宅に直接水を届けてもらうこと、栄養バランスの摂れた食事や必要とする物資を届けることを始めました。

 知り合いから知り合いへと情報が伝わりニーズがどんどん増える中、食事を作る人手、物資を仕分けして運ぶ人手、そして、食材調達のための資金集めが何よりの課題でしたが、「ソウル・フラワー震災基金」様から人件費と食材などの購入資金のご支援いただき、活動を継続させることができました。

 また、河川の氾濫により拡散された放射性物質の影響についても、「TEAMママベク」として測定を行い、必要な対策を求めるため、測定スタッフ確保のための人件費をいただきました。

 今なお被災者たちの困窮状態は続いていて、再建の見通しが立たないために、家を解体する決断もできないままカビが増殖し続ける家に住み続けていたり、1階部分の修繕を待ちながら2階に住んでいるけれど、莫大な借金を背負ってしまったことによるプレッシャーにより不安に陥っていたりなど、災害支援の救済制度が現状に見合っていないため、事態はどんどん深刻化してきています。

 再建はまだまだ先になりそうな状況の中、これらの問題を少しでも改善させる方法を探っていくことも課題ではありますが、今後も母親同士のコミュニティを通してできる限りのサポートを続けていきたいと思っています。

 ご支援くださったみなさまには、心からのお礼を申し上げます。
 また、今後もつながり続けていただけたら幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。

(千葉由美/ママcafeかもみーる/TEAMママベク/子どもの環境守り隊)

台風19号活動報告

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「ソウルフラワー震災基金」1995~2010年 収支報告
現在レコーディング中の中川敬アコーステッィク・ソロ・アルバムより、「満月の夕」(途中段階のラフ・ミックス)公開中。
「関西から、みなさんの無事を心より願って」(中川敬)。
音・歌詞・メッセージはコチラ(2011.3.15記)
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