nobody knows this is nowhere

1992 Por supuesto! STAP-0205 ¥1,500 (Tax in)

1 グライダーと長靴
2 動物園へ行こうよ
3 ペニーアーケードの年
4 静かにして、何もしない

  

 

グライダーと長靴
 

まぶしい夏のある日
ひまわりの丘に登った
昨夜見た夢のとおり
リュックに長靴つめて

ひとりでグライダーを飛ばしただけで
別にいいことはなかったけど

綿雲もかぞえあきて
何にもなりたくない今は
いったいどこへ行こうか
帽子に空虚はあふれて

幻のグライダーを飛ばし続ける
僕の右手はもう あの時ほど
うまく降りおろせないけど

幻のグライダーを飛ばし続ける
僕の耳にはもう 風の声も
聞こえない

僕は立ち止まる
僕は振り返る
僕は確かめる
そして 忘れてく

静かに流れていく時の中で
飛ばし続ける


  



 

動物園へ行こうよ
 

草の穂の海 風が吹き抜けたら
なんて空っぽな 僕ら

カナリアの声 古いシャツのギンガム
陽だまりのニュースペーパー

動物園へ行こうよ
今度の水曜
サンドイッチと君と僕
東回りのバスに乗り

コーンフレークとアイロン台の朝に
ふと考えついたんだ

動物園へ行こうよ
くもり空でも
気まぐれとハミングが
たった2つの頼りなら

草の穂の海 風が吹き抜けたら
なんて空っぽな 僕ら

動物園へ行こうよ
今度の水曜
サンドイッチと君と僕
東回りのバスに乗り


 



 

ペニーアーケードの年
 

雲が晴れるように
少しづつは わかってはきたんだ
夜はいつも長く 朝はいつもはかないものだと

お気に入りのシャツを着て 靴ひも結んだなら
かかとを鳴らして 歩きだそう

今も思い出すよ あの7歳のむし暑い誕生日
僕はティーカップの中
何にだってなれる気がした

とっくにさびれ果ててて がっかりするだろうけど
君を連れてくよ今度

光と影 あの夏の日の ペニーアーケード
埃まみれ 悲しく揺れる メリーゴーランド
もう二度と僕は あの頃へは戻れない
戻らない

お気に入りのシャツを着て 靴ひも結んだなら
かかとを鳴らして 歩きだそう

光と影 あの夏の日の ペニーアーケード
埃まみれ 悲しく揺れる メリーゴーランド
もう二度と僕は あの頃へは戻れない
戻らない


 



 

静かにして、何もしない
 

古い桟橋の隅にすわって
川をただ 見てる
こんな晴れた日は
絵を描く気も起きないから

白いパレットに 僕は
プラム色をつくって
ぼんやりする

遠くの風車や 大きな木も
幻だけれど
僕にとって ここは
どこでもない どこかなんだ

いつか この景色もすべて
崩れ去るのだろう
いつか きっと
必ず きっと
いつか きっと